ナノ材料の形状と配列の精密制御を目指し、ナノ材料を内包可能な多孔質有機結晶の作製を行った。多孔質有機結晶を与える分子に必要な性質として、(1)分子の長軸方向で相互作用できる置換基を有すること、(2)その置換基の相互作用は方向性を持って作用すること(3)生成する空孔の形状は内包物の種類や数によって変化しないことがある。従って、先の性質を満たす置換基には多点相互作用が必要となる。 そこで、分子の長軸方向で方向性を持って相互作用できるカルボン酸誘導体を種々合成し、それらのX線単結晶構造解析により、その分子配列を詳細に検討した。検討の結果、分子構造と結晶中の分子配列に関する知見を得た。
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