本研究では,キャパシタ(コンデンサとも言う)間の接続を半導体スイッチで高速に切り換えることで電圧変換を行うスイッチトキャパシタ回路を用いて,コイルを使わない新しいデジタル電力増幅器を開発した.本回路は,各キャパシタの充電電圧が2進数の各桁の重みに比例するように充電して,デジタル入力信号により放電するキャパシタを直列接続するので,瞬時にデジタルからパワー用のアナログ出力電圧に変換できる.設計した16ビットのデジタルアンプは,直流から20kHzまでの周波数特性はフラットで,軽負荷時と8Ω負荷時の電力変換効率はそれぞれ99%および95%以上の高効率が得られた.
|