金属/Ge界面の強力なフェルミレベルピンニング(FLP)に対し,メカニズムの理解とショットキー障壁高さの制御指針の構築を目指した.理想的なGe表面の形成として水素雰囲気中熱処理による原子レベル平坦表面を有するステップ&テラス構造の形成を実現した.しかしながらこれらはGe電界効果トランジスタの特性を改善するが,FLPには影響を与えなかった.一方で金属Ge化合物/Ge界面ではFLPが緩和し,ショットキー障壁高さが大幅な界面構造依存性を有することを明らかにした.これはGeのFLPが金属の自由電子密度に応じて変化する本質的な半導体中への電子の浸み出しのメカニズムにより説明されることを示唆する.
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