本研究では、統計的学習アルゴリズムを制御工学の問題に適用し、大別して三つの新しい成果を得た。第一に変分ベイズ法を用いた制御系のシステム同定手法を得た。第二に相互情報量を用いたシステム同定のための制御入力の設計法を与えた。第三にガウス過程回帰と呼ばれる非線形関数近似器を用いて非線形系の制御系設計手法を与えた。制御工学においては、制御対象の数理モデルに基づいて設計が行われるが、精密な数理モデルの獲得は容易ではない。本研究では、統計的データ解析のツールを援用することでこれまでにない制御系設計の一連のアルゴリズムを導いた。
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