Xバンドレーダと漁船測深システムによる地形モニタリングシステムを構築し,天竜川河口周辺の地形を連続観測した.観測結果を分析し,出水と波浪による河口砂州の浸食,河口テラスの消長等を調べた:a)河口砂州の浸食パターンと過程を明らかにした.河口砂州の浸食は,大半は出水によるが,波浪の作用により進行する場合も見られた.河口の浸食の程度は出水前の河口幅に依存する.河口砂州がフラッシュする条件は,河口幅別整理できることを示した.b)観測期間中,河口砂州の存在位置は海側から河道内に断続的に変位していた.c)河口テラスは長期的な侵食傾向にあり,2008年からこれまでに80万立方米の土砂が失われた.
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