分流式下水道システムでも直接的な雨の流入がしばしば見られるため、都市の地表面の汚染はシステムの主要なPAH源となりうる。本研究では、分流式下水道システムへのPAH降雨の流入を調査した。排水処理場の入口では、降雨時、無降雨時に水の流入量、SS、PAHの濃度を測定した。降水中の水とPAHの過剰流入を、その結果から推定した。比較から雨量と降雨期間の間に、降雨事象の間に相当量のPAH負荷が観察された。プラントへの年間水負荷量は約1%と評価された。測定と推計から、水の流入量は限られたが、分流式下水道システムであっても、一般にはPAHの降雨流入負荷は高くなる可能性があると考えられた。
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