本研究の目的は伝統木造構法に関して宣言的に記述した知識ベースで表現することであった。最も複雑に部品が交錯し設計・施工が難しいと思われる屋根隅部を取り上げ、構法知識の記述を試み、成功した。 得られた知識ベースから精緻なスケール模型を制作する実証試験もおこなった。これには汎用の産業用6軸腕型ロボットを改造した加工機を用い、実際の木材を切削して制作した。およそ100点に及ぶ部品を出力し組み合わせることで、屋根隅部のディテールを正確に再現することが出来た。1/5スケールの模型はこの手法の実大建築物への適用可能を示唆する足る成果である。
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