マレーシア・マラッカはユネスコ指定の世界遺産都市であるが,指定ゾーン内の樹木や空地が乏しく,また交通渋滞の常態化による都市熱環境の悪化が懸念されている。本研究は,緑化空間の創出による熱環境の改善を歩行誘発につなげ地域価値向上のサイクルを実現するため,景観構成分析と都市冷却効果の検証機能を連携させた都市デザインプロセスの開発を目的とする。達成点として,定量解析を重合した結果を根拠とした地域緑化手法により,街路上およびその周辺での気温や地表面温度の低減効果を確認した。またこの環境改善が通過交通の低減に繋がると仮定したシナリオに基づく排熱計算を通じ,域内の交通排熱量の削減を定量的に明らかにした。
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