鋼の熱間圧延プロセスにおいて、鋼表面には酸化スケールが形成され、熱伝達に対して影響を及ぼす。鋼の冷却速度の制御は製造上の重要な課題であり、実際には熱流束の計算に基づくシミュレーションが行われている。このためには、酸化スケールや鋼の熱物性値が必須となる。本研究では、酸化スケールを表面に生成した鋼を試料として、酸化スケールと鋼の熱物性値を同時測定することを目的とした。このために、ホットストリップ法を改良し、短時間の測定結果から酸化スケールの熱浸透率、長時間の解析から鋼の熱伝導率を測定した。この方法により得られた熱物性値は、様々な鋼製造についての冷却のシミュレーションに役立てていくことができる。
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