1990年代後半より、マイクロ波を用いた有機合成の研究が盛んに行われている。中でも、金属触媒を用いた化学合成は著しい促進効果が示唆されており、グリーンケミストリー的な位置づけからも重要な技術である。一方、マイクロ波による金属触媒能の促進理由(メカニズム)については様々な学術的議論が行われてきたが、その主原因として触媒近傍で局所的に発生する非平衡高温場(ホットスポット)の存在が予想されている。本研究では、マイクロ波によって触媒表面に発生すると考えられるホットスポットの存在を明確にし、そのメカニズムの解明と制御を世界で初めて成功した。
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