本研究は腎不全治療で用いられるPD液が生体に適しているかどうかを評価する手法の一つの開発です。細胞シートを生体外で積層化することで、3層から成る疑似腹膜組織の作製に成功しました。また、疑似腹膜組織は、単層では見られなかった血管の内腔構造が観察されました。一方、疑似腹膜組織の溶質透過係数は、単層組織に比べて、分子量4000では1/26.5、分子量10000では1/4.5、分子量70000では1/1.9となり、組織化することで溶質が通過しにくくなっていることが示され、生体に近い結果となりました。 生体外で疑似腹膜組織を作成し、その評価法の開発に成功しました。
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