哺乳類大脳皮質神経細胞は脳室帯(VZ)に直接由来するものと、脳室下帯(SVZ)での二次的な分裂を経て産生されるものがある。前者はSVZ下部に集積して多極性細胞の形態をとり、約24時間停留した後に、脳の内側へと軸索を伸ばし、やがて脳梁の線維となる。SVZでさらに分裂する集団は前者のような集積は形成せず、SVZ内に広く分散する。本研究課題ではこれら2つの集団は異なる線維連絡を確立する可能性を考え、両者の産生バランスに関わる遺伝子の候補を得た。その内の1つは強制発現させるとSVZ分裂細胞の増加が観察され、その内在性タンパク質はSVZ分裂細胞そのものに発現することが示された。
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