ヘム合成に関与すると予想されたABCB10の機能を明らかにするためにAbcb10コンディショナルノックアウトマウスの解析を行った。 一方、ABCB10の機能低下と腫瘍との関連性が示唆されているが、Abcb10欠損マウスを用いた発癌実験は行われておらず、腫瘍が発生・悪性化する過程でAbcb10の役割は不明である。 B16細胞(P53野生型)ではAbcb10ノックダウン細胞が腫瘍縮小を示すが、LLC細胞(P53変異型)ではAbcb10ノックダウン細胞が腫瘍の増大を示した。さらにAbcb10+/-マウスに化学発癌を誘導したところ、腫瘍の発生頻度は野生型に対し増加する傾向が見られたが、有意差はなかった。
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