• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

p53経路の破綻による腫瘍悪性化の分子基盤の解明とその制御への応用

研究課題

研究課題/領域番号 25430115
研究機関札幌医科大学

研究代表者

時野 隆至  札幌医科大学, 医学部, 教授 (40202197)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードp53 / がん抑制遺伝子 / マイクロRNA
研究実績の概要

がんは日本国民の最大の死亡原因であり,近い将来国民の半数ががんにより死亡すると予測される.「がん克服」を目標に多くの基礎・臨床研究が行われているが,治療抵抗性・転移・再発などを示す難治がんに対する治療法は未だ確立されていないのが現状である.p53はヒト悪性腫瘍の約50%と最も高頻度に変異や欠失が見出されるが,“がん抑制遺伝子”であるためp53経路をターゲットとした治療薬の開発は遅れている. 正常型p53により転写抑制され,変異型p53をもつ腫瘍細胞で発現が上昇する標的遺伝子を同定し,がん治療の有力な分子標的につながる研究の展開をめざす.
miRNA発現解析により,p53がmiR-200ファミリーの転写活性化を介してがん遺伝子CRKLの発現を抑制すること,および,がん遺伝子CRKLが腫瘍細胞の運動・浸潤能を調節する役割をすることを確認した.さらに,臨床検体において種々の悪性腫瘍でCRKLの低発現がp53変異を相関することも見出している.したがって,p53経路に異常のあるがんに対してがん遺伝子CRKLを分子標的とした治療薬が有効なことを示唆する研究成果を得ることができた. p53が細胞周期停止・アポトーシス誘導に関与する標的遺伝子を転写活性化するのみならず,miRNA転写制御を介して腫瘍細胞の増殖・浸潤に関与するがん遺伝子の発現を抑制することを実証した.
本研究成果を本年度4月に開催された米国癌学会で発表した.さらに,今後miR-200ファミリーを介してp53が発現抑制する遺伝子を探索し,同定した複数の候補遺伝子について,その機能を解析する研究に発展させることを計画している.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] p53 mediates the suppression of cancer cell invasion by inducing LIMA1/EPLIN.2017

    • 著者名/発表者名
      Ohashi T, Idogawa M, Sasaki Y, Tokino T
    • 雑誌名

      Cancer Letters

      巻: VOL. 390 ページ: 58~66

    • DOI

      10.1016/j.canlet.2016.12.034

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Long non-coding RNA NEAT1 is a transcriptional target of p53 and modulates p53-induced transactivation and tumor-suppressor function.2017

    • 著者名/発表者名
      Idogawa M, Ohashi T, Sasaki Y, Nakase H, Tokino T
    • 雑誌名

      International Journal of Cancer

      巻: VOL. 140 ページ: 2785~2791

    • DOI

      10.1002/ijc.30689

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification and characterization of the intercellular adhesion molecule-2 gene as a novel p53 target.2016

    • 著者名/発表者名
      Sasaki Y, Tamura M, Takeda K, Ogi K, Nakagaki T, Koyama R, Idogawa M, Hiratsuka H, Tokino T
    • 雑誌名

      Oncotarget

      巻: VOL. 7 ページ: 61426~61437

    • DOI

      10.18632/oncotarget.11366

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] p53経路と発がん2016

    • 著者名/発表者名
      時野隆至
    • 学会等名
      日本癌学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜,神奈川県横浜市
    • 年月日
      2016-10-06 – 2016-10-08
    • 招待講演
  • [学会発表] p53 downregulates CRKL oncogene through miR-200.2016

    • 著者名/発表者名
      Tokino T, Tamura M, Idogawa M, Sasaki Y
    • 学会等名
      American Association of Cancer Research (AACR) annuak meeting.
    • 発表場所
      New Orleans Convention Center, USA
    • 年月日
      2016-04-19
    • 国際学会
  • [備考] 札幌医科大学 医学部附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門

    • URL

      http://web.sapmed.ac.jp/canmol/

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi