抗癌治療薬として注目されるTRAILに抵抗性を示したヒト膵癌細胞において、感受性の回復とその機序を検討した。オートファジーを阻害するpifithrin-μと、あるいは抗アポトーシス分子Bcl-xL阻害剤ABT-263とTRAILの併用で、膵癌細胞に対するTRAIL感受性が増強した。また低酸素誘導因子のうちHIF-1αではなく HIF-2αをRNA干渉で抑制した膵癌細胞は、抗アポトーシス蛋白survivin発現を減少させ抗腫瘍効果を誘導した。よって、HIF-2α、オートファジー、抗アポトーシス分子それぞれの阻害が、免疫療法の治療効果を高める可能性が示唆された。
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