近年の研究により、細胞運動時の先導端形成において、細胞膜の張力が阻害的なシグナルとして働き、アクチン重合を負に制御していることが明らかとなった。しかしながら、膜の張力を認識するタンパク質は不明であったため、この物理的なシグナルがどのようにアクチン重合活性を制御するのかは明らかではなかった。本研究により、膜変形活性を持つF-BARタンパク質であるFBP17が、細胞膜の張力センサーとして働き、先導端形成を制御していることが明らかとなった。細胞生物学的な手法により、細胞膜の張力はFBP17の膜変形活性を阻害することにより、アクチン重合活性を負に制御していることが明らかとなった。
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