哺乳類大脳皮質発生において、細胞外糖蛋白質リーリンは受容体ApoER2とVLDLRに結合してシグナルを伝達することによってニューロン移動を制御するが、その作用機構には不明な点が残されている。我々はApoER2ノックアウトマウスにおいて(1)中間帯でのニューロン移動が障害されること、(2)ニューロンが辺縁帯直下で正常に停止せず辺縁帯内部へ侵入することを見出した。また下流分子を検討し、Rap1、integrin、Aktが辺縁帯下部でのニューロンの移動停止に、Aktが中間帯でのニューロン移動に関与することを明らかにした。これらの結果から、ニューロン移動におけるApoER2の作用機構が明らかになった。
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