落花や落果は農業において重要な現象である。トマトでは受粉の不成功時に花は離層から落花し、受粉成功後は発達中の落果を防ぐ一方、完熟した果実では簡単な刺激で落果する。落花時の離層では、開花後から3日目にかけて、エクスパンシンは、受粉阻止直後から徐々に離層特異的に蓄積し、脱離するタイミングで、XTHは1日目でピークを迎えた。XTHは受粉阻止した直後の細胞壁修飾に、エクスパンシンによる細胞の膨張は、器官脱離の決行に重要と考えられた。落果時の離層では、リグニンの蓄積が確認されたが二次細胞壁合成に関わるCesAの蓄積は観察されなかったことから、離層特有なリグニン蓄積様式があることが示唆された。
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