研究課題/領域番号 |
25440148
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
榊原 圭子 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 上級研究員 (20360555)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 配糖化酵素 / フラボノイド / シロイヌナズナ / 結晶構造 |
研究実績の概要 |
配糖化反応は、植物の特異的代謝産物(二次代謝産物)の多様化に必須な反応である。しかしながら、高次配糖化に関わる酵素遺伝子は、これまでごく少数が単離されたのみであり、その結晶構造も不明であった。本研究では、結晶構造に基づいた高次配糖化酵素の詳細な反応機構、基質認識機構を明らかにすることを目的とする。加えて新規フラボノイド高次配糖化酵素の機能同定を行うことにより、分子進化的な観点から高次配糖化酵素の糖受容体認識機構の獲得に関してアプローチする。 本年度は、結晶構造を明らかにしたアントシアニン高次配糖化酵素UGT79B1と高い配列相同性を示すシロイヌナズナ由来の新規フラボノール高次配糖化酵素UGT33(UGT79B6)遺伝子についての機能同定を完了し、論文として発表した。UGT33(UGT79B6)遺伝子欠損型変異体および野生株を用いた生理実験を行い、UGT33(UGT79B6)の生理機能に関して予備的知見を得た。また、UGT33(UGT79B6)から得た知見をもとに、UGT79B1の反応機構に関わるアミノ酸残基を推定し、新たに作出した変異UGT79B1タンパク質を用いた生化学的解析を行った。 分子進化的アプローチとしては、ダイズ由来のフラボノール高次配糖化酵素候補遺伝子の組換え蛋白質を用いた生化学実験を行い、フラボノール高次配糖化酵素活性を保持することおよびその基質反応特性について解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規フラボノール高次配糖化酵素UGT33の機能を当初の予定より早く同定し、論文として発表した。その生理機能についてもいくつかの予備的知見を得た。アントシアニン高次配糖化酵素UGT79B1については、基質となるUDP-xyloseの輸入も再開でき、解析を進めつつある。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、UGT79B1の生化学的解析を推進する。また、シロイヌナズナ以外のフラボノイド高次配糖化酵素についても、機能同定を進めているので、これらの知見を合わせ、分子進化的観点からも解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
一昨年度、生化学実験に必要な試薬(UDP-xylose)が輸入代理店の突然の取引停止により輸入不可となり試薬購入ができなかった。不安定な試薬であり、受注合成品でもあるため、昨年度に一度に購入できず、今年度への繰り越し状態にならざるを得なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
現在は、新規輸入代理店を開始、入手可能なため、順次、試薬(UDP-xylose)購入に充てる。
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