研究課題
植物は、約20万種ともいわれる化学的に多様な物質生産能力を持ち、古来から人類に、生薬、薬原材料、色素、染料、香料、工業原料などとして利用されてきた。配糖化反応は、植物特異的代謝産物(二次代謝産物)の多様性の一因となる重要な反応である。配糖化酵素については、古くから研究されているが、高次配糖化(基本骨格に直接結合した糖部分に対するさらなる配糖化)については、これまで酵素遺伝子単離の報告も少なく、タンパク質結晶構造の報告もなかった。本研究では、結晶構造に基づいた高次配糖化酵素の詳細な反応機構、基質認識機構の解明を目的とする。シロイヌナズナのアントシアニン高次配糖化酵素UGT79B1の結晶構造に基づき、基質認識に重要と思われるアミノ酸残基を置換した変異UGT79B1を用いて、生化学的解析を行いその特性を明らかにした。また、分子進化的観点を含んだより包括的な知見を得るために、他の植物種由来のフラボノール高次配糖化酵素群の単離・機能同定を行った。具体的には、昨年度、我々が、フラボノール高次配糖化酵素であることを明らかにしたシロイヌナズナUGT79B6(UGT33)と同一の糖受容体、糖供与体を認識する高次配糖化酵素を他植物から単離・機能同定した。また、別の植物種1種から、糖受容体、糖供与体が異なる複数のフラボノール高次配糖化酵素の機能を同定した。これらの結果より、高次配糖化酵素の糖受容体、糖供与体認識機構の解析を行った。
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BMC Plant Biology
巻: 15 ページ: 126
10.1186/s12870-015-0504-7