イネの機能未知遺伝子の解析には、これまでにない変異を持つ系統の開発が有効である。イネ内在性のDNAトランスポゾンnDartは非自律性で、ゲノム中に一因子の自律性因子aDartから供給される転移酵素によって転移が引き起こされ遺伝子領域に挿入し易い性質を持っている。nDart/aDartをコシヒカリに導入したnDart-Koshiダグライン系統を創出し、3年で9000個体の変異系統を育生したので、全挿入領域の同定に向けて解析をおこなった。また、しばしば優性の変異体も出現するので、その中で不完全優性でわい性となる突然変異体Bdt1変異体の原因遺伝子を同定し、優性となる原因を明らかにした。
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