地すべり地における地震動特性を明らかにするため、新潟県上越市の地すべり地の内部移動域と側部不動域の2箇所において加速度型強震計による地震動観測をおこなった。移動域はぜい弱化した強風化泥岩および強風化凝灰岩からなる。観測された有意な地震は2回(M3.0、M6.7)である。両地震とも地震動の最大加速度および最大速度は移動域の方が大きくなる傾向にあり、地すべり地内では地震動が強くなることが明らかとなった。フーリエ解析の結果、地震動の周波数分布は相対的に軟弱地盤である移動域で1Hz前後の周波数帯の振動が増幅される特徴があり、これが移動域において相対的に地震動が強くなった要因と考えられた。
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