Salmonella Typhimurium DT104は百日咳毒素(PTX)と相同性を示す毒素 ArtABを産生する。この研究により、ArtABがPTXと同様にAB5型毒素ファミリーに属することを明らかにした。ArtABはマウス腹腔内接種により致死活性を示し、インスリン分泌亢進活性等PTXと同様の活性を示したが、PTXとは異なり、白血球増多活性は陰性であった。ArtABはマウスマクロファージ由来RAW264.7細胞におけるGi蛋白質をADP-リボシル化し、cAMP上昇活性を示た。以上のことから、ArtABはPTXと類似した活性を有し、DT104の病原因子としての可能性が示唆された。
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