鶏コクシジウム症の制圧は、鶏畜産物の生産現場において、重要な課題である。本研究では、安全な新規薬剤の開発を目指した。病原性の高いEimeria tenella について、ミトコンドリア精製方法の確立および酵素活性測定系を構築することができた。この測定系を用いて、各種化合物の阻害効果を解析したところ、いくつかの化合物で呼吸鎖活性の阻害が確認できた。また、侵入型虫体を精製し、これらの化合物での殺虫効果を解析した結果、μM のオーダーで殺虫効果がみられた。今回確立した解析系は、Eimeria 属原虫の呼吸鎖代謝経路の解明および新規シード化合物の薬剤スクリーニングに有用であると考えられた。
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