室温・中性条件でベンジルカチオンを放出するベンジル化剤DPT-BMを用いたアミド切断反応を開発した。本反応はアミドに対してベンジル化を行うことでベンジルイミダートを生成し、引き続く加水分解により、アミドをベンジルエステルとアミンに切断する反応である。ベンジルエステルは、接触水素還元を用いてカルボン酸へと変換できることから、全体を通して室温・中性条件でアミドをカルボン酸とアミンに切断できたこととなる。本反応は、アミド結合周りの立体的因子・電子的因子により、反応性に大きな差を生じることから、選択的な切断反応が可能であった。更に、エステル存在下での選択的なアミド切断が可能であった。
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