従来の不斉触媒を用いた不斉アミド化反応では、カルボン酸とアミンから光学活性アミドを合成する際、ラセミ体アミンを速度論的光学分割する例しかなかった。本研究では、トリアジンを基盤とした脱水縮合反応を用い、触媒がラセミ体カルボン酸の不斉を制御する反応の開発に取り組んだ。その結果、用いるキラル第三級アミンやクロロトリアジンの構造を調整する事で、これまでにない初の反応様式で光学活性アミドが得られることを明らかとした。また、上記トリアジンの研究で得られた知見を利用して、新しいベンジル化剤の開発、トリアジニルアンモニウムの効果的な脱離反応などの解明に至った。
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