本研究では、エイコサノイドの細胞外放出について解析を行った。LC/MS/MSによる細胞内および細胞外エイコサノイドの一斉定量系を新規に確立し、培養細胞系あるいは細胞膜小胞輸送実験系に応用した。プロスタノイド産生細胞として汎用されるA549細胞において、PGE2、PGF2α、TXB2が細胞外に放出された。各種阻害剤やMRP4 siRNAを用い、これらの細胞外放出におけるMRP4の寄与を評価したところ、PGE2とPGF2αの細胞外放出には部分的にMRP4が寄与し、一方でTXB2の細胞外放出にMRP4は寄与しないことを明らかとした。EPA由来3型プロスタノイドにおいても同様の結果が得られた。
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