胃潰瘍治療薬のポラプレジンク(PZ)を含むトローチを口内炎予防薬として新規に開発し、その臨床効果を造血幹細胞移植前のconditioningとして高用量の抗がん剤が投与される造血器系腫瘍患者を対象として調べた。トローチの含量均一試験および安定性試験を実施し、基準に適合したものを臨床研究に供した。主要評価項目は中~重度の口内炎の発現率、副次評価項目は口腔内疼痛、口腔乾燥、味覚障害である。PZトローチは16名の患者に投与した。口内炎発現率はPZなしでは73%であったが、PZトローチ群では13%と顕著に低下していた。さらに、口腔内疼痛、口腔乾燥、味覚障害の発現率もPZトローチ群で低下していた。
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