研究課題/領域番号 |
25460223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
横山 晴子 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80385509)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 抗血小板作用 / COX-1 / 投与設計 / 川崎病 |
研究概要 |
川崎病は小児慢性特定疾患に指定されている難病であり、その急性期治療の目標は冠動脈瘤の発症を防ぐことにある。標準療法として、アスピリンや免疫グロブリンの併用療法が行われる。しかし、対象が小児であるため、アスピリンによる肝障害の誘発や、ライ症候群発症の危険性のため、インフルエンザ流行期には使用できないなどの問題がある。この場合の代替薬としてフルルビプロフェンが用いられているが、アスピリンと比べて、フルルビプロフェンにおける治療効果は低く、臨床上問題となっている。また、フルルビプロフェンの投与量は、成人における消炎鎮痛作用から算出されているため、必ずしも適切とは言い難い。そこで、本研究では、フルルビプロフェンの抗血小板作用に対する薬力学および薬物動態学に基づく、薬効解析モデルを作成することにより、川崎病患児に対する効果的かつ適切なフルルビプロフェンの投与設計の方法論の開発を目的に検討した。まず、予備調査として、川崎病罹患時のフルルビプロフェン使用に関する実態を検討した。そして、フルルビプロフェンの薬物濃度と血小板凝集抑制率との関連性についてin vitroおよびin vivoにて検討した。その結果、フルルビプロフェン濃度と血小板凝集抑制率の間に濃度依存性が認められた。さらに、in vitroおよびin vivoにおいて、血小板に対するフルルビプロフェンの反応性は同等であることが示された。また、健常成人にフルルビプロフェン錠を40mg単回投与した場合、投与後8時間の血小板凝集抑制率は高値を示し、1日3回の用法で効果的なフルルビプロフェンの抗血小板効果を期待できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の当初の研究実施計画に則り、研究を遂行できた。さらに、現在、論文公表のための準備を行っている。また、研究実施計画3.フルルビプロフェンにおける抗血小板作用に関する薬効解析モデルの構築において、抗血小板作用の指標として、血小板凝集抑制率に加え、血漿中トロンボキサンB2生成阻害率についても検討した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度において、当初の研究実施計画通りにおおむね順調に進展した。そのため、平成26年度においても、当初の実施計画通り、フルルビプロフェンとアスピリンの抗血小板作用の比較に基づく最適投与法の構築を中心に研究を展開する。さらに、平成25年度の研究成果について、早急に論文にて公表する予定である。
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