糖尿病患者の心臓は、冠状動脈が正常であっても機能低下していることが多い。心筋自体の問題が生じてると考えられ、糖尿病性心筋症と言われている。しかし、そのメカニズムの詳細は分かっていない。 本研究では、糖尿病で増加すると言われているO型糖鎖であるO-GlcNAcによる修飾に注目して、心機能との関連性を調べた。その結果、心機能の維持に関わっているタンパク質がO-GlcNAc修飾されることにより、機能異常を起こし、心機能低下の原因になっていることが分かってきて、糖尿病性心筋症の一つのメカニズムと考えられた。今後は病態をつかむだけでなく、これらの基礎データをもとに心不全治療薬の開発に結び付けていきたい。
|