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2013 年度 実施状況報告書

ヘルパーT細胞機能発現の機序解析

研究課題

研究課題/領域番号 25460401
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

直江 吉則  独立行政法人国立長寿医療研究センター, 老化機構研究部, 室長 (50392048)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードT細胞
研究概要

近年、ヘルパーT細胞分化のマスター転写因子としてThPOKが同定された。ThPOKはZinc fingerを持つ転写因子で、Zinc fingerに変異があるマウスならびにThPOKを欠損するマウスはヘルパーT細胞を有さないことから、ヘルパーT細胞分化に必須であることが知られている。さらに、ThPOKを欠損するMHC class II 拘束性ヘルパーT細胞様細胞では機能が著しく低下することから、ThPOKがヘルパーT細胞機能発揮に重要な役割を果たしていることは明らかである。しかしながら、ThPOKの標的遺伝子は未だ不明である。したがって、申請者はThPOK標的遺伝子を探索することによりヘルパーT細胞機能発現機序の解明が可能となると考え、ThPOK転写因子の標的遺伝子の同定をcDNAマイクロアレイとChIP on chip法により行った。探索の結果、ThPOK標的遺伝子候補の中でヘルパーT細胞では発現が認められず、しかし、細胞障害性T細胞で発現が見られ、さらにThPOK欠損T細胞でも発現が見られる遺伝子(ThPOKにより発現が抑制される遺伝子)に注目し、Cxxc5遺伝子を選んだ。
T細胞特異的に標的遺伝子Cxxc5を発現するトランスジェニックマウスを作成し、その表現型を調べたところ、CD40L発現低下ならびにIL-4産生減少等のCD4+ヘルパーT細胞の機能が著しく低下していることを見出した。それら遺伝子の発現抑制機序を調べたところ、それら遺伝子座においてHistone H3の9番目のリジンがメチル化されていること、さらにCxxc5がHistone methyltransferaseのSuv39h1/2と結合していることが明らかになった。一方、Cxxc5はCD40LならびにIL-4遺伝子座のDNAのメチル化に関与していなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究においてCxxc5がCD40LならびにIL-4発現抑制の機序を明らかにすることが大きな目的の一つであるが、その機序の一部を明らかにすることが出来たことから、おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

Cxxc5がHistone methyltransferaseのSuv39h1/2と結合しHistone H3 9番目のリジンのメチル化を誘導しCD40LならびにIL-4の産生を抑制することを明らかにした。今後、他のHistone修飾の検討を行い遺伝子発現の抑制ならびにヘルパーT細胞機能抑制の機序を明らかにする。さらにCxxc5欠損マウス、ThPOK欠損マウスを用いて詳細な機序の検討を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

実験に必要なCxxc5欠損マウスならびにThPOK欠損マウスを導入したが、それらマウスが仔を産まなかったことから、動物実験を行うことが出来なかった。そのため、次年度使用額が生じた。
仮親を導入することにより安定にCxxc5ならびにThPOK欠損マウスを得ることが可能となった。これら動物を用いた実験に次年度使用額を使う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Ubiquitin-specific protease 2-69 in macrophages potentially modulates metainflammation.2013

    • 著者名/発表者名
      Kitamura H, Kimura S, Shimamoto Y, Okabe J, Ito M, Miyamoto T, Naoe Y, Kikuguchi C, Meek B, Toda C, Okamoto S, Kanehira K, Hase K, Watarai H, Ishizuka M, El-Osta A, Ohara O, Miyoshi I.
    • 雑誌名

      FASEB J

      巻: 27 ページ: 4940-4953

    • DOI

      10.1096/fj.13-233528

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Beneficial effects of Brazilian propolis on type 2 diabetes in ob/ob mice: Possible involvement of immune cells in mesenteric adipose tissue.2013

    • 著者名/発表者名
      Kitamura H, Naoe Y, Kimura S, Miyamoto T, Okamoto S, Toda C, Shimamoto Y, Iwanaga T, Miyoshi I
    • 雑誌名

      Adipocyte

      巻: 2 ページ: 227-236

    • DOI

      10.4161/adip.25608

    • 査読あり
  • [学会発表] Cxxc5, ThPOK target gene, suppresses CD4+ helper T cell functions during CD8+cytotoxic T differentiation2013

    • 著者名/発表者名
      直江吉則、内藤拓、天野麻理、丸山光生、古関明彦、谷内一郎
    • 学会等名
      第42回日本免疫学会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      20131211-20131213

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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