研究課題
本研究では、疾患発症に効果を持つ遺伝子と環境因子を、ゲノムコホート研究に典型的なp>>n条件の小標本高次元データから統計学的保証を持って、柔軟かつ高速に抽出するために、高次元変数選択の枠組みを利用した遺伝統計手法を開発する。これまでに、周辺回帰とそれに引き続く罰則回帰による変数選択を組み合わせた高次元変数選択の枠組み(SIS; Sure Independence Screening)を実データ、とくに遺伝子×環境相互作用データへの適用が可能となるよう拡張するための解析を進めており、平成27年度については引き続き以下の取り組みを行った。1)ソフトウェア実装と実データでの検査 これまで使用してきた二種類のコーディング法を、公共データベースから新たに入手したゲノムデータに適用した。新たに得られた結果を含めて、周辺回帰ランキング統計量(尤度やオッズ比やp値)の分布を比較し、また、上位ランキング変数の抜き出し基準に関する統計学的な検討結果をソフトウェアプログラムに反映させた。2)遺伝子×環境相互作用への拡張 飲酒や喫煙などの生活習慣に関する環境暴露データをダミー変数としてコーディングし、SNPとの分割表を集計したSISの枠組みによる遺伝子×環境相互作用解析ソフトウェアプログラムについて、実際のゲノムコホートデータをテストデータとして適用し、この手法のさらなる妥当性の検証と、結果のフィードバックおよびチューニングを行った。特に、相互作用検索時に深刻な偽陽性を生むSNPのクラスタリングエラーについて、各SNPのクラスタリングに関するQCデータを利用し、低いクオリティのデータを事前に排除出来る工夫を行った。以上により、目標をほぼ達成した。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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