本研究では赤痢菌エフェクターであるIpaHファミリータンパクの包括的機能解析を行った。IpaH0722は赤痢菌感染時のファゴソーム破壊により誘導されるPKC―NF-kB経路を自身の有するE3リガーゼ活性依存的に阻害することが明らかとなった。その抑制機構を解析したところ、シグナル因子であるTRAF2を標的とし、ユビキチン化、プロテアソーム分解へと導くことでNF-kB活性化を抑制することが示された。一方、IpaH5はI型インターフェロン活性化を抑制していることが明らかとなった。IpaH5は宿主標的Xと結合しユビキチン化修飾、プロテアソーム分解へと導くことでそのシグナルを抑制することを明らかにした。
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