自然免疫の認識分子であるフィコリン1は、フィコリン2とは異なり、発生時期の組織細胞や成体の白血液球を認識ことが明らかになった。マウスフィコリン1(フィコリンB)の標的分子は、細胞膜表面シアル酸含有膜タンパク質であり、フィコリンBは単独で、またはプロテアーゼMASP-3と複合体を形成しレクチン経路を介して作用すると考えられた。また、フィコリンBはN末端アミノ酸のN-アセチル基を認識して細胞骨格タンパク質にも結合することから、傷害された細胞の認識にも関与すると考えられた。このように、フィコリン1は、生体防御の役割に加えて、自己内部環境の恒常性維持に働くことが明らかになった。
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