本課題は、音響学的特性に基づいた脂肪酸組成の識別による非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の診断システムの基盤構築を目的とした。結果として、5種の脂肪酸(パルミチン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、リノール酸、αリノレン酸)において音響学的特性(インピーダンス、80MHz条件下)に差があること、インピーダンスの相違に基づいた肝組織マッピングは肝疾患の進行段階によって異なるパターンを呈すること、そしてインピーダンス定量値が正常肝、単純性脂肪肝、NASHの差を反映することを明らかにした。これらの成果は、実臨床における脂肪関連肝疾患の診断能を大きく前進させるものである。
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