生活習慣病の多くは、まず末梢血管障害が生じます。この血管障害と口腔内循環との関連を調べるため、糖尿病動物モデルの歯肉血管機能を測定しました。糖尿病により歯肉血管機能は低下し、この低下は歯周病により悪化しました。歯周病による歯槽骨吸収量は、糖尿病により増大しました。また、腎糸球体は、糖尿病により血管網の減少や管腔の変性が、さらに歯周病により、血管壁の破綻が観察されました。加えて、糖尿病、歯周病による歯肉血管障害への酸化ストレスの関与が証明されました。これらは、糖尿病による末梢血管障害が口腔内にも生じており、歯肉血流量を指標に簡便に生活習慣病のリスクのスクリーニングができることを示しています。
|