研究課題/領域番号 |
25460822
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
臼田 寛 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (80298752)
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研究分担者 |
河野 令 大阪医科大学, 医学部, 助教 (00622573)
藤本 圭一 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20599740)
植野 高章 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60252996)
渡辺 美鈴 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30084924)
土手 友太郎 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (10257868)
横山 浩誉 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (20550510)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 化学物質のリスク評価 / フッ素化合物 / 化学物質暴露 / 産業医学 / 産業暴露 / 微量元素 / 職業性暴露 / 化学物質による中毒 |
研究概要 |
フッ素化合物は産業現場で樹脂や冷媒の製造原料、あるいは洗浄用薬液など幅広い用途を持っているが、必ずしも適切なリスク管理が実施されているとはいえない。本研究の目的は、産業現場で幅広く使用されている、多種多様なフッ化物のリスクをスコア化することで可視化し、実用的なリスク管理法を確立、提供することである。 本年度は産業分野で利用されているフッ素化合物のうち、基板薄膜形成時の真空蒸着などに用いられるフッ化ルビジウム(RbF)に着目して、その生体影響を他の一般的なルビジウム化合物(酢酸ルビジウム、臭化ルビジウム、炭酸ルビジウム、塩化ルビジウム)と比較した。これまでに、これら化学物質を投与した実験用ラットから血液と尿を採取し、血清AST、ALTによる肝機能への影響の評価、尿量、尿中クレアチニン、尿中NAGによる腎機能への影響の評価、血清・尿中のフッ素とルビジウムの濃度からこれら化学物質の生体内動向に関する評価を行った。また尿や血液に含まれる微量なルビジウムをICPAES法によって測定する手法やイオン電極法によるフッ素濃度の測定手法、対象とする化学物質のリスクを生体影響の強さと生じやすさを用いてスコア化することで可視化する手法を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験用ラットに対する化学物質の投与、血清・尿など検体の収集、各種評価指標の選定と分析、フッ素をはじめとした生体試料中の微量元素濃度の測定など実験全般は予定通り実施できた。 対象とした化学物質のリスクを生体影響の強さと生じやすさを用いてスコア化する可視化の検証もおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
基本的な研究の推進計画は当初の申請に沿ったものであり、大幅な変更は今後も見込んでいない。ただし、リスクをスコア化過程で比較対象とする化学物質の選定ではフッ素化合物間の比較に加え、同一陽イオン元素に対してフッ素が結合している化合物と他の陰イオンが結合している化合物の比較も行うこととした。これによって、フッ素イオンの影響そのものをより鮮明に可視化できるものと期待できる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の進達に合わせ当該年度の研究費の一部を次年度以降に使用することにしたため。 補助事業期間中に使用する予定であり、大幅な計画変更はない。
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