研究分担者 |
河野 令 大阪医科大学, 医学部, 助教 (00622573) [辞退]
藤本 圭一 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20599740) [辞退]
植野 高章 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60252996)
渡辺 美鈴 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30084924) [辞退]
土手 友太郎 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (10257868)
横山 浩誉 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (20550510)
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研究実績の概要 |
無機フッ素化合物の暴露影響について生体影響とリスク評価を検証した。 9週齢Wistar雄性ラット17群(1群5-10匹)を用い蒸留水0.5ml、フッ素化合物(対イオンLi, Na, K, Mg, Ca, Sr, Ba, Zn, Al, Y, La, Ce, Nd, Sm, Gd, Yb)のうちいずれかの溶液0.5ml(不溶性~難溶性で飽和度を超える場合は懸濁液)を投与(8.5mg F-/200g rat body weight, 20% LD50に相当)し、代謝ケージに留置した。各群の24時間蓄尿と24時間後の血液を採取し尿量、尿中NAG、クレアチニンクリアランス、血清AST、血清ALT、尿・血清中フッ素濃度を測定し、一元配置分散分析による有意差検定を行った。 尿量は群間で有意差を認めなかった。クレアチニンクリアランスは群間で有意差を認めフッ化亜鉛投与群で最も低下した。尿中NAG濃度は群間で有意差を認めフッ化ナトリウム投与群で最も上昇した。血清ASTは群間で有意差を認めフッ化カルシウム投与群で最も上昇し、血清ALTは群間で有意差を認めフッ化カリウム投与群で最も上昇した。水への溶解度の高いフッ化化合物ではフッ素イオンの血中への移行が容易であり、尿中排泄量も多くなった。縦軸に測定指標の変化から判断した生体影響の大きさ、横軸に測定指標の変化順位と有意性を勘案したリスクマップを作製したところ、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化亜鉛が高リスクとなった。 アルカリ金属、アルカリ土類金属、ホウ素族、遷移金属を対イオンとする水溶性フッ素化合物は希土類元素を対イオンとする不溶性~難溶性フッ素化合物と比較して血中への移行、尿中への排出が容易で生体リスクが高くなる傾向が見られた。水溶性フッ素化合物は対イオンの種類によってリスクレベルが異なり、Na, K, ZnがCa, Mg, Li, Sr, Alと比較して高リスクであった。
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