六君子湯は複数の機序によりグレリンシグナルを増強し、食欲不振を改善する。本研究では、グレリンの細胞内エフェクターであるAMPKおよびSIRT1の関与について検討を行った。グレリン受容体(GHSR1a)を発現している培養細胞に六君子湯を添加したところ、SIRT1蛋白量の増加およびSIRT1活性の上昇が認められた。また、六君子湯を投与したICRマウスにおいて心臓のSIRT1蛋白量増加と視床下部SIRT1活性の上昇が認められた。さらに、六君子湯を長期間連日投与したマウスでは、コントロールと比較して有意な寿命の延長が認められた。六君子湯は食欲改善作用に加えて抗加齢作用を有する可能性が示唆される。
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