まず最長観察期間12年間の長期インフリキシマブ継続投与中のクローン病患者74名を対象に、後ろ向きコホート研究を行った。1日600kcal以上の経腸栄養療法併用が、長期寛解維持に有用な因子であることを解明した。 次にin vitroで、経腸栄養剤に含まれるアミノ酸が大腸粘膜上皮細胞層のバリア機能へ影響するかを調べた。TNFα刺激によりバリア機能が低下した上皮細胞層において、それぞれグリシンとグルタミン添加により、バリア機能が有意に回復することを見出した。PCR arrayの結果、グリシン添加群ではclaudin-14遺伝子の発現が有意に上昇しており、バリア機能の回復に関与するものと推定された。
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