慢性腎臓病(CKD)は、心肥大を呈し心不全をよく合併することは臨床的によく観察されるが、その分子機序は不明であった。 今回の研究で、CKDでは慢性炎症や血管新生を惹起するサイトカインであるPLGFの産生が増加し、その内因性の拮抗物質である可溶性Flt-1の産生が低下することによって、CKDで心肥大や心不全の発症に関与していることを、sFlt-1を特異的に欠損するマウスを用いて証明した。PLGFの働きを抑制することや、sFlt-1の産生を増加させることが、CKDに合併する心肥大や心不全の治療に応用される可能性を示した。
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