気管支喘息の病態における「コリン作動性炎症」の役割を解明することを目的に、抗コリン薬(M3受容体拮抗薬;tiotropium: TIO)のアレルギー性気道炎症への効果とそのメカニズムを検討し、喘息患者の抗コリン薬投与前後の気道炎症を検討した。喘息モデルマウスでは、TIO投与により、好酸球性炎症が抑制されることが確認され、全肺およびBALF中のTh2サイトカインもTIO投与により低下する傾向が認められた。また、OVA感作曝露により、ChATの発現が低下する傾向がみられるとともに、M3RはTIO投与により発現が亢進した。臨床的には喘息患者のTIO追加投与による気道炎症の指標に変化を認めなかった。
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