ポリグルタミン病において原因タンパクの重合体形成が強い細胞障害性を有し神経変性を惹起するという「重合体毒性仮説」に基づき,重合体形成阻害を分子標的とした新規治療薬の開発を行った.培養細胞システムを用いた大規模薬剤スクリーニングとモデル線虫を用いた二次スクリーニングにより,ポリグルタミン病変異蛋白の重合体形成を阻害し,神経変性を抑制する可能性のある薬剤を見出した.また,臨床試験を成功させるために,iPadを用いた上肢運動機能評価システムを開発し,小脳性運動失調の評価における有用性を明らかにした.さらに,脊髄小脳変性症に対するvareniclineの安全性と有効性を検討する臨床試験を開始した.
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