研究課題/領域番号 |
25461324
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
大庭 英樹 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00405747)
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研究分担者 |
大浦 一雅 岩手医科大学, 医学部, 助教 (20611015)
寺山 靖夫 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70146596)
佐々木 真理 岩手医科大学, 医学部, 教授 (80205864)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 超高磁場MRI / 7T MRI / レンズ核線条体動脈 / アテローム血栓性梗塞 / NIHSS / 分枝粥腫型梗塞 / ラクナ梗塞 |
研究実績の概要 |
目的:レンズ核線条体動脈(LSA)領域梗塞症例の梗塞巣および責任血管を7T-高解像度MRIを用いて観察し、画像所見と臨床経過について検討した。 対象:岩手医科大学付属病院に急性期脳梗塞の診断で入院し、頭部MRI上基底核領域の穿通枝梗塞を認めた症例35例を対象とし7TMRIを施行した。読影実験の結果、LSA を責任血管とする症例24例、anterior choroidal artery、long insular artery、その他を責任血管とする症例11例に分類し、LSAを責任血管とする症例のみ検討の対象とした。対象症例24例の患者背景は、平均年齢63才、既往歴は高血圧症17例、糖尿病6例、脂質異常症14例、冠動脈疾患1例、脳血管障害3例、入院時のNIHSS(平均)3点,脳梗塞発症から7TMRIを施行するまでの平均日数は11日であった。 方法:7T MRI: 3D-FLAIR、 3D-TOF MRAを用いて、LSA描出の有無、梗塞巣との位置関係、梗塞巣の体積を評価した。LSAの閉塞部位は近位部で途絶、遠位部で描出不良、閉塞無しに分類した。脳梗塞重症度はNIHSSを用いて評価を行った。 結果:LSAの遠位部で描出不良例および閉塞を認めない症例においても、約半数で、梗塞巣の長径≧15mmを認めた。LSAの所見と脳卒中重症度に関連は認められなかった。脳卒中重症度と梗塞巣の大きさに関連は認められなかった。 結論:7T高解像度MRAによって、急性期非心原性脳梗塞患者におけるLSA病変の評価が可能であった。LSA途絶部位と梗塞巣の関連が確認できた。従来branch atheromatous diseas(BAD)型と考えられていた例において、他の機序が関与している可能性が示唆された。本手法は、基底核領域脳梗塞における臨床病型の推定や治療法の選択に寄与できる可能性がある。
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