糖尿病は慢性的な高血糖状態から血管障害をきたすが詳細な分子機構は不明である。本研究では、高血糖はミネラルコルチコイド受容体(MR)のN末端領域の糖鎖修飾(O-GlcNAc修飾)を介してユビキチン―プロテアソーム系による蛋白分解を抑制するためにMR蛋白発現レベルが上昇することにより、MR転写活性化をきたすことが明らかとなった。糖尿病における治療抵抗性高血圧や臓器障害がMR拮抗薬により改善することが知られているが、本研究の結果、高血糖によりアルドステロンレベルとは独立して、MR蛋白の安定化による発現レベルの上昇が糖尿病の腎障害に関わることが示唆された。
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