エリスロポエチン(EPO)は、赤血球系の造血因子として発見され使用されてきたが、その後の研究で組織保護的に働くことも明らかとなっている。研究代表者らは、EPO誘導体であるヘパリン親和性EPO(HEPO)の合成に成功し、この新規EPO誘導体の特性を検討した。ヒトHEPO(rhHEPO)は長時間作用型の赤血球造血作用を示しつつ、新たに血管新生阻害作用も獲得していた。本新規EPO誘導体(rhHEPO)は、造血促進効果および組織保護効果を維持しており、さらに抗腫瘍効果(腫瘍増殖阻害)が付加されていることで、臨床への応用が期待される。
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