成人T細胞白血病はHTLV-1の感染によって引き起こされる悪性腫瘍で、予後が非常に悪く、その原因として癌幹細胞の存在が示唆されていた。我々はATLマウスモデルを用い、ATL癌幹細胞が腫瘍再構築能を有し、ホーミングアッセイの結果から、脾臓や骨髄に存在し、特に骨髄の骨梁領域に多数存在していることを明らかにした。この領域では破骨細胞が同時に増加しており、ニッチ細胞と考えられたので、破骨細胞の阻害剤と抗がん剤の併用治療を行なった。その結果、骨髄においては劇的なATL細胞の減少が認められた。これらの結果より、破骨細胞を標的とした治療法がATLの進展を阻止するのに有効であることが示唆された。
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