研究代表者は、平成22~24年度の科研費研究(課題番号22591114)で、ヒト肺胞上皮細胞株A549の培養上清が、カルバペネム系抗菌薬(Cps)の抗菌活性を低下させる効果(CIE)を持つことを明らかにした。 本研究で、この培養上清中の代謝産物を質量分析し、L-cysteine (L-cys)が強いCIEを示すことが判った。さらに上清中のL-cysの濃度は経時的に増加し、その濃度に従ったCIEが観られた。この現象は培養液中にアミノ酸が無ければ起こらず、血清を添加すれば減弱する。L-cysによるCPsの不活化が生体内で起きるかは不明であるが、CPsの体内動態を考える上で考慮すべきである。
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