研究課題/領域番号 |
25461587
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小関 道夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60444303)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リンパ管腫 / 血管奇形 / 新規治療 / プロプラノロール |
研究概要 |
本研究は、難治性血管腫・リンパ管腫に対するプロプラノロール療法を確立することを目的とし、プロプラノロール療法の臨床研究および、血管腫・リンパ管腫細胞に対する薬理作用の解析を行うこと目的としている。 今年度は乳児血管腫(Infantile Hemangioma:IH)およびリンパ管腫に対する有効性を検証するため、前方視的な臨床研究を行った。またVEGFの中で血管新生に関わるVEGF-Aの他、リンパ管新生に関わるVEGF-C、Dがあるため、治療中の血漿中VEGFを測定し、病態や有効性との関連について検討した。 ①IH25例に対し、漸増法にて治療開始、外来で4週間毎に病変の評価を行い、24週の治療を行い、副作用および有効性を評価した。全例に有意な治療効果を認めたが、なかには改善度の不良な症例もあり、病変の病型や治療開始時期などを比較したが、差はみられなかった。VEGFは治療前のIHでは高値である症例が多かったが、治療後は有意に低下していた。また治療前に高い症例と高くない症例を比較したが、治療反応性などには差がみられなかった。 ②リンパ管腫患者6例(嚢胞型2例、海綿型2例、混合型2例)に投与し、24週時に有効性の評価を行ったところ、2例に明らかな有効性を認めた。また治療後24週時のVEGF-A、Dは治療前と比較して有意に低下を認め、VEGF-Cは治療前後で有意な差は認めなかったが、著効2例は他の4例と比較して低下している傾向がみられた。 症例数は少ないが、VEGFを介した治療効果が認められ、血管腫・リンパ管腫の新しい治療選択のひとつになるのではないかと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の中で最も重要な臨床研究である『小児血管腫・リンパ管腫に対するプロプラノロール療法の有効性と安全性に関する研究』を前方視的に行えた。リンパ管腫に対する治療報告は世界的にも例が無く、論文発表することもできた。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究を継続し、血漿中のVEGFだけではなく、他の血管新生因子(bFGF、アンギオポイエチンなど)の測定なども行い、治療反応などの予測因子もしくは薬理作用との関連を研究する。 また血管腫・リンパ管腫患者から病変部位の腫瘍細胞を既に4検体得られ、それぞれ細胞株が作成されているため、これらを用い、薬理作用などの解析をする基礎研究も進めたい。
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