インスリン様成長因子受容体はがん細胞の増殖に重要な役目を果たしている。神経芽腫は、インスリン様成長因子に対する増殖反応性から、インスリン様成長因子を自ら産生して増殖できる群、自らは産生することはできないが、インスリン様成長因子が作用することにより増殖できる群、インスリン様成長因子には依存せずに増殖する群に分類された。さらに、神経芽腫の細胞内におけるインスリン様成長因子受容体を介した増殖シグナルの伝達には、複数の経路が用いられていた。これらの結果より、細胞内シグナル伝達を阻害する薬剤を神経芽腫患者の臨床治療に用いる場合には、増殖シグナル伝達の多様性を十分に考慮することが大切であると考えられる。
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